STARTO社、チケット転売めぐる総務省の有識者会議に異議|主査の中立性を問う声明、総務省側の見解は未確認

旧ジャニーズ事務所のタレントが所属するSTARTO ENTERTAINMENT(STARTO社)が10月9日、総務省が開いているワーキンググループの運営に公然と異議を唱えました。チケット転売者の身元開示のあり方を話し合う会議で、まとめ役の主査が、同社グループと争った転売サイト側の裁判に協力していたと指摘し、公平で中立な検討を求めています。
- STARTO社とグループ会社が10月9日、公式Xで連名の声明を発表
- 総務省の発信者情報開示WGの主査が転売サイト側に協力していたと指摘
- 総務省や主査側の見解は報道時点で確認できていない
何があったのか
STARTO社と、関連会社のヤング・コミュニケーション(YC社)は10月9日、STARTO社の公式Xで連名の声明を出しました。対象は、総務省の「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」の下に置かれた発信者情報開示ワーキンググループ(WG)です。
総務省の公式ページによると、このWGは今年6月1日に初会合を開き、7月までの5回は公開で行われました。9月7日の第6回からは非公開となり、10月1日までに計8回開かれています。ネット上で権利を侵害した人の身元を、被害者側がどう開示請求できるかを検討する場で、チケットの転売出品もテーマの一つになっています。
なぜ批判されたのか
声明でSTARTO社側が問題にしたのは、WGを招集し運営する主査の立場です。報道によると、同社は、主査を務める研究者が、YC社とチケット転売サイト「チケット流通センター」の運営会社との裁判で、転売サイト側の依頼を受けて同社寄りの意見書を作り、全面的に協力していたと指摘しました。この裁判は今年3月、YC社側の主張が認められています。
さらに、事前に示された検討課題案にはなかった転売サイトへの開示請求の話題が、第1回会合で主査から持ち出され、第2回以降に正式な検討課題に加えられたと説明。そのうえで、一方の当事者に協力した人物が議論の取りまとめ役を担えば、行政の公平性や中立性への信頼が揺らぎかねないと訴えました。
声明は、研究者個人の学問上の見解の自由を否定するものではないとも断っています。投稿は短時間で広く拡散し、SNSではSTARTO社の主張に賛同するファンの声が多く上がりました。
当事者の対応
STARTO社とYC社は声明の中で、WGと総務省に対し、制度の検討を公平かつ中立に進めるよう強く求めました。制度の課題を話し合うこと自体は重要だという立場も示しています。
一方、声明で名指しされた形の主査側や、WGを所管する総務省による今回の声明への見解は、報道時点で公式コメントは確認できていません。WGの第6回以降の議事概要も、総務省のページには掲載されていません。
これまでの経緯
- STARTO社がチケット転売サイトへの発信者情報開示請求を公表
- STARTO社が、転売出品者の情報開示をめぐる初の司法判断が出たと公表
- 東京地裁が転売サイト運営会社の異議を退け、YC社の主張を認める判決
- 総務省の発信者情報開示WGが初会合
- WG第6回。この回から会合が非公開に
- STARTO社とYC社が、WGの中立性を問う声明を公式Xで発表
参考にした報道・発表
- スポニチアネックス(Head Topics掲載) STARTO社が声明 チケット転売巡るWGの議論に中立性への不安
- coki STARTO社、総務省に反旗 チケット転売裁判の相手側が有識者会議を仕切る異常
- 総務省 デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会(発信者情報開示WGの開催状況)
- STARTO ENTERTAINMENT チケット転売出品が興行主に対する権利侵害であると判断する日本初の判決について(2026年4月20日)
本記事は上記の報道と公式発表をもとに、2026年10月11日時点で確認できた事実をまとめたものです。その後の状況が変わっている場合があります。



